アクリル板(あくりるバン)

  アクリル樹脂で作った板で、厚さは1〜3mmくらいで、色はいろいろある。大きさは91p×182pが標準である。表装に使用するには、80p×60pに裁断下ものを使用すると便利である。返し裏打ちの糊付け台代わりに使う額表面保護用に透明な板もある。

 

足摺カン(あしずりかん)

 

 環の足(先)が左右ともに長く伸びているカン。しんちゅう、銅、白銅製などがある。2本足はすって打ち込みやすくしてある。

 

あて紙(あてがみ)

 

 薄い和紙で1尺8寸(30p×24p)くらい、大きさは様々である。直接その部分にふれると傷つきやすいところには、こような当て紙をあててなでたり、こすったり、たたいたり、折り曲げたりする。コテを使う、手でなでる、金槌出た宅、刷毛でなでる時に当て紙を使う。

 

意匠的(いしょうてき)

 

 軸助けの絹だけが裏打ち紙簿ところにぽつんと目立ち、デザインが自由になるところが何ともいえない感じ。

 

一番糊 (イチバンノリ)

 

 表装用の科学糊でドロッとした流体で、ポリ容器に3キロ入れ。接着剤メーカーの矢沢科学工業(株)製造。

 

一文字 (いちもんじ

 

 作品の上下に金襴の裂地が継がれているが、それを一文字という。上を上一文字、下を下一文字という。

 

一尺差し (いっしゃくざし)

 

 1尺の物差しで、30.3pの竹製のものが多い。作業用。

 

色落ち(いろおち)

 

 水墨画・日本画・書などに裏打ちするとき、水刷毛で湿りを入れて行う。そのときに絵の具や墨が水に溶け出して周囲に流れ出してしまうことを言う

特に朱色金色紫色などが落ちやすく、色落ちといっている。色落ちを止めてから裏打ちをする。

 

浮き (う き)

 

 裏打ちをしたときに、作品や裂地に湿りが少なかったり、乾きかかっている時に裏打ちをすると、作品や裂地の表面が伸びて浮き上がり、シワになること。

また、裏打ち紙に糊のついていない部分、少ない部分があると、裏打ち後、日数が経過するにつれて、その部分がかがれて浮き上がってくること。糊付けと湿り具合に十分注意する。

 

宇田紙 (うだがみ)

 

 楮を主原料とした総裏打ち用の和紙で、白土を漉き込んである。1尺×7尺(30p×212p)2尺×3尺(60p×90p)などがある。薄口、中肉、厚口などがある。柔らかい糊の含みのよい紙で、白土は掛け物を少しでもしなやかにするためと同時に、裏面の透けを防ぐために漉き込まれたのもで先人の知恵。

 

裏ごし (うらごし)

 

 薄めていてママコになってしまった糊を、裏ごしに入れてママコをなくす。裏ごしは直径25〜30pくらいで、深さが10〜15pの檜の輪でできていて一方をステンレス、シュロなどの網でふさいであるもの。固い糊は外側からの網の上に糊をのせて、ゴムヘラか竹製のシャモジで押しつぶす。薄くなったのりは内側に入れて刷毛でなでこす。

 

裏ずり玉(うらずりだま)

 掛け軸に八宗、軸棒を取り付ける前に裏ずり玉で全面をこする

柔らかくしなやかにするためである。糸でつづったガラス玉で、3分、3分5、4分などの玉108個をくくってある。ネックレスのようなものである。昔は無患子(ムクロジ)の種の実など、植物の実が多かった。

 

裏巻絹ウラマキキヌ)

 

 福島絹のこと。上巻ともいう。掛け軸の巻き上げた外側の絹のこと。通称裏巻とも呼ぶ。

 

置き干し (おきぼし)

  裏打ちしたものを仮貼り板に張らずに、そのまま紙・布地などの上に移動して、置いたまま乾燥させる方法をいう。特に十分縮めたいときには効果的である。平均して安定した縮みが得られる。置き干しは肌裏打ちの時に多く用いられ、増裏打ち、中裏打ちでは仮貼りに張ることが多い。

 

江戸カン

 

 環の足(先)が1本のみ伸びていて、ほかの1本は環で切れているカンのこと。

 

送り裏打ち(おくりうらうち)

 

 返し裏打ちに似ている方法である。小さな裏打ち紙を継ぎながら裏打ちをする。1枚の裏打ち紙を作品の端に置き、短手(作品と裏打ち紙の境)の一辺に糊をつけて180°返して全面に糊をつけ、元へ戻して貼り付ける。作品の幅の倍の作業台が必要になる。2枚目の裏打ち紙も同じ場所で糊付けをする。作品の裏打ちの終わったところは移動して、2枚目の裏打ちの位置に置く。順次作品を移動しながら裏打ちしていく。作品の下にはレーヨン紙か薄いビニールシートを敷いておき、それと一緒に移動するとよい。

 

起こし紙(おこしがみ)

 

 福島絹の地獄打ち、薄い作品の肌裏打ち終了後に、作業板から持ち上げると福島絹や作品が残って裏打ち紙だけを持ち上げてしまうことがあるので、裏打ちをする前に福島絹、作品などの下に起こし紙を差し込んで、裏打ち紙より外へ出る長さにし、裏打ちが終わった時点でその紙の端を持ち上げて、裏打ち紙と福島絹、作品などを同時に持ち上げる紙のことを起こし紙という。裏打ち紙の半端(端ギレ)で8分×3寸(2.4p×9p)もあればよい。