啄木(タクボク)
掛け軸の紐が3色で織られていて、その状態がキツツキの啄む跡に似ていることから啄木 といわれる。掛け軸の紐のことをいう。大・中・小とあり、1反(30m)単位。

竹釘(タケクギ)
額、屏風、ふすまなどの釘は金属のものを使わず、すべて竹の釘を使う。竹を1寸2分(3.6 cm)の長さに削り針状にして、火であぶり煎ったもの。

たるみ
裏打紙を掛け竿に掛けたときに掛け竿の中心部に少したるみ(掛け竿に平行なシワ)をい れ、反対側の作業板についた面にも裏打紙にわずかのたるみをいれると平らに裏打紙が置 ける。また、総裏打時に湿りをいれてまもなく、おだやかにふくらんだり、へこんだりし ている状態を、たるんでいるともいう。

淡墨(タンボク)
濃い墨に対して薄い墨のこと。談墨は、湿りをいれてもにじまないように思われるが、意 外と墨落ちがしたり、にじんだりするので注意が必要である。宿墨(シュクボク)はとく
に注意。墨の味わいを求める書家はよく宿墨(1〜3日墨を擦ったままにして、ニカワが 腐った墨)を使う。

縮みをいれる(チヂみをいれる)
裂地は原則として水で湿らせて縮ませ、かわかす。たっぷり水をつけてかわかすことにな る。このことを縮みをいれるという。 しかし正絹本緞子は光沢があるのでツヤが消える。 わらび粉糊の多く合まれている裂地もシミになるおそれが多いので、縮みをいれない場合 がある。

中厚紙(中肉紙)(チュウアツシ・チュウニクシ)
裏打紙の紙には薄目、中原、原口などがあり、それぞれ紙の厚さをいう。中くらいの厚さ の紙が中原(中肉)である。

中廻し(チュウマワし)
大和仕立、茶掛仕立、仏表具などにおいて、作品の廻りにぐるりと張りめぐらせてある裂地 を中廻し、または中縁(ちゅうべり)と呼ぶ。中廻しのあるときは必ず天地(上下)の裂 地が別に継がれている。表具の仕立ての取合わせではこの中廻しをいちばん先に選び、そ の後、他の部分を決めていく。この中廻しの色具合で表具の取合わせの良否が決まる。

継ぎ手(ツぎテ)
和紙と和紙とを継ぎ合わせたところを継ぎ手(継ぎ目)という。まだ継いではいないが、 これから糊をつけて継ぎ目に合わせる1辺のことを継ぎ手という。糊が他の箇所の2倍に なるのでツレることがある。余分の糊分けかわいた和紙を使って吸い取るようにするとよ い。継ぎ手部分。

 

爪ずり(ツメずり)
仮貼板に裏打をした裂地や作品を張りつけたときには、周囲の糊しろ部分は刷毛でなでた だけでは十分でないので、爪先でよく貼りつける。怠るとはがれてしまい、掛け軸の仕上 がりに悪い影響を及ぼす。

吊り金具(ツリカナグ)
普通の大きさまでは環を木ネジで止めて、掛け紐を通して結ぶ。額の裏側に取りつける。 小さなものは額の縁に取りつけて吊り下げるようにする。これらの金物を吊り金具という。 大きくて重量のある額は壁にボルトを打ち込んで固定することもある。

ツレ
表具の言葉で、これほど多く使われている言葉はあまりない。書、日本画に使った、墨や 絵具の境の白地のところにシワがよっていることをツレという。裂地の両端のツレ、絹本 の左右耳のツレ、総裏打のときの切継ぎのツレ、耳折りの糊のツレなどがあり、ツレを防 ぐことが掛け軸の仕上げを左右するといってもさしつかえない。

出角の処理(デズミのショリ)
額の四隅の処理のことで張り方、切り方を合めていう。角を引っ張りきちんと出さないと きれいに仕上がらない。

天の裂地(テンのキレジ)
掛け軸の上の裂地の部分を天または上といい、下の部分を地または下という。そこで天の 裂地とは掛け軸の上の部分の裂地のことをいう。

ドウサ液(どうさエキ)
二カワとミョウバンで作った液体で、低温だとゼリー状に固まる。画材店に市販されている。にじみ止め用に使う。裏面より塗るが、どっぷりつけずにかすれかすれに塗る注意が 必要。小筆を使用。

止め金具(トめカナグ)
額縁と本体とアクリル板を一体にする金物で、木ネジで止める。

鳥の子紙(トリのコシ)
島の子色(鶏卵の殼のような色)の紙で三極(ミツマタ)、雁皮(ガンピ)を原料として漉 いた紙。一号、二号、三号紙などがある。現在ではふすま紙は新島の子、上新島の子など と呼ばれて普及品が多く出回っている。パネルに張る程度のものは新島の子の色つき無地 が多い。大きさは3尺×6尺(91cmx182cm)カf標準。

トンボ
仮貼板を壁面に平らに置かないで一方の角だけを壁に当てて斜めに立てかけておくと、下 の辺と上の辺がよじれ、対角の角が引き合って、仮貼板が平らな姿にもどらないありさまをトンボになったという。額にもふすまにもあり、下張りの仕方、骨(芯の組子)の良し 悪しにもよる。